留学の手続き・準備

入学申請や留学ビザの手続き、渡航チケットや留学保険の手配など、留学準備の流れをご紹介します。

留学の目的を明確にする

留学準備の第一歩は、ご自身の中国留学に対する思い、目的を考えてみる事です。その思いは実現する価値があるのか、現実に即して留学後の自分を思い描いてみましょう。

どんな理由であれ、留学は自分自身を大きく成長させる絶好の機会です。日本から遠く離れての生活はとても新鮮ですが、ややもすると、当初の目的とは違う留学生活を過ごしてしまう方も見受けられます。

留学中に何をしたいのかを明確にすることが、留学を成功させる重要な要素です。出発前から何のために中国に留学するのかをよく考えておきましょう。

中国留学の動機は人により様々です。

  1. 中国語が話せるようになりたいから
  2. 大学・大学院への進学のため
  3. 専門知識を学びたい
  4. 就職活動のアピール材料
  5.  
  6. 転職へのキャリアアップ
  7.  
  8. 生活体験など

その留学を通じて得たい「学び」や「スキル」は何でしょうか。語学力、学位またはインターンシップでのビジネス体験でしょうか。留学の目的がはっきりしたら、その目的を達成するためにはどのような留学が最適か考えてみましょう。

留学の種類を知る

中国の留学は、学位取得を目的とした「学位留学」と聴講や研究を目的とした「研修留学」の二つに区分されます。

研修留学とは
主に「普通進修生」、「高級進修生」、「漢語進修生」の3つの種類に分かれている。学位の取得はできません。日本の大学でいえば聴講生に該当するでしょう。
学位留学
主に「本科生」、「外国人本科生」、「碩士研究生」、「博士研究生」がある。本科生は日本の学部、碩士研究生は修士課程、博士研究生は博士課程に相当する。

漢語進修生

漢語進修生
一般的に、「語学留学」や「短期留学」とよばれているのがこの漢語進修生(語言進修生)です。

漢語進修生クラスは外国人留学生のみで構成され、一般の中国人とは別の各大学内にある外国人を対象とした語学センターや、語学コースで中国語を学びます。

短期では1週間からあり、半年から1年、2年の語学留学などはすべてこのタイプの留学で、中国留学の90%以上を占めています。

授業は午前のみ。希望者には午後に太極拳や書道などの中国文化コースを設けている大学もある。

本科生と漢語進修生(語学留学)は学習するクラスは異なりますが、本科生と同じように学生証も発行され、留学生寮や図書館など学内施設の利用に関してはまったく同じです。

学位はありませんがコース終了後には修了証が発行されます。但し、本科生などの授業に参加することはできない。

多くの大学で漢語進修生の入学の条件として年齢制限がありますが、形式上の年齢制限があっても実際は制限年齢以上の方でも許可されることが多いようです。学歴に関しては、ほとんどの大学で高卒以上とされています。

※旅行会社が手配する中国語学留学に関しては、1週間から1ヶ月のような短期になると正式な語学留学ではなくパックツアーとして参加する場合が多くなります。この場合は、学生証は発行されません。

普通進修生

普通進修生
日本の大学で言うところの学部聴講生にあたります。

学習期間は半年~2年。学習期間終了後に学位はでませんが、修了証書が与えられます。

条件としては、年齢は35歳以下、短期大学卒業以上。4年制大学に在学中の場合は、第2学年を修了していることとなります。

入学試験はありません。 中国人学生と共に学部の授業を受けるため、ある程度の中国語能力がないと入学できません。

中国語能力は大学にもよりますが一般的に、文系の学部でHSK6級以上、理系の学部でHSK3級以上となっています。

高級進修生

高級進修生
日本の大学で博士課程に在籍している方が、中国の大学院で研究及び講義を受けるときの身分。

中国の大学院や研究所に所属し、研究テーマについて研究します。 条件は、中国語能力は文系ではHSK6級以上、理系HSK3級以上。学歴は現役の大学院生であるか修士課程修了以上となっています。

大学によっては出身大学の教授からの推薦状が必要です。 なお、高級進修生の学習環境上のメリットとしては①宿舎が一人部屋 ②奨学金が普通進修生よりも多い。などがあげられます。

本科生

本科留学日本の大学の学部生(大学生)と同じ。

留学生のための学科試験にパスして入学が認められる正式な留学となります。 中国人学生と一緒に講義を受けて4年間学びます。卒業すると学士号が授与されます。

一般的な入学の条件としては、満25歳以下、高卒以上に相当する学歴を持つこと、となります。

中国語能力の条件は大学や学部によってことなりますが、一般的には文系の学部でHSK5級以上、理系の学部でHSK3級以上とされています。

外国人本科生

外国人本科生外国人留学生のために設けられた本科コース

留学生のみを対象とした留学生本科で一般の本科とは異なり、授業は中国語の学習が中心となっています。

一般的に入学試験は無いが、入学の条件として中国語HSK3級以上が求められます。 専門分野を学ぶ日本の「学部生」のイメージとは違うので注意が必要です。

卒業論文を提出して卒業すると学士号も授与されますが、専門を学びたい方は一般の中国人学生と同じ本科生を選ぶことになります。

研究生

中国では大学院生を「研究生」と言います。

碩士研究生日本の大学での博士課程前期(修士課程)の学生と同じ。博士研究生日本の大学での博士課程後期(博士課程)の学生と同じ。

日本の修士課程、博士課程に相当します。いずれも中国の大学で一般の学生と一緒に講義を受けたり研究する正式な大学院生です。

入学の条件は、中国語のレベルはHSK6級以上が求められます。学歴は碩士研究生が大学卒業以上、博士研究が修士課程修了以上となっています。

留学情報の収集

どのような留学をするか決まれば、あとは留学情報の収集です。

留学の時期

秋入学:9月~1月。春入学:3月~7月。※春入学・秋入学のどちらでも一年間留学が可能です。留学申請の締切日:秋入学は6月ごろまで。春入学は12ごろまで。

何を優先的にしらべるのか

下のリストはあくまで事例です。自身が、どのような留学を目指すのかで調べる内容が違ってきます。

例えば、東洋医学を学びたいなら外国人が東洋医学を学べる大学を優先的に探すことになります。

留学を就職につなげるために、留学中のインターンシップや企業訪問を予定している場合は、ビジネス体験の機会が多い上海や北京など、大都市の大学と企業情報を優先的に調べることになります。

また、語学力の向上とHSK試験を目標に置いている場合は、HSK試験対策の授業がある留学コース情報を中心に調べることになるでしょう。

中国の大学に入学申請

今では、ほとんどの大学で留学申請書(外国留学生入学申請書)はホームページから直接送信したりダウンロードできるようになっています。

※入学申請書の詳細はこちら

身体検査と健康診断書

181日以上の長期留学をする場合には、健康診断書の提出が必要です。入学許可の通知書が届く前に病院で診断書を書いてもらいましょう。

※健康診断書の詳細情報はこちら

入学書類の郵送

行きたい大学へ必要書類を郵送します。大学や留学の種類によって必要書類が違ってくるのでよく調べましょう。中国の大学とのやりとりは、基本的に中国語か英語です。

入学の1~3ヶ月前には、大学から入学許可の通知書(録取通知書)とJW202表(外国留学人員来華ビザ申請表)が郵送されてきます。

留学ビザの申請

大学から届いた入学許可の通知書とJW202表を持って留学ビザの発給申請をします。

ビザは各地域の中華人民共和国駐日本大使館領事部で申請し、渡航期間に合わせたビザが発給されます。

※留学ビザの詳細はこちら

渡航の手続き・準備

パスポート発行申請

海外(中国)へ行くのになくてはならないパスポート。まずは申請して発行してもらいましょう。

パスポート発行申請の詳細はこちら

部屋の確認

宿泊施設と連絡を取ります。最近では大学の外に部屋を借りる事もできるようになりましたが、生活上の利便性や安全を考えると大学内の留学生寮に住むのがおすすめです。

ただし、留学生寮の一人部屋の希望など個人による申請では確認できません。

※一人部屋の確認などが可能な留学代行サービスはこちら

航空券の手配

渡航チケットの予約・購入方法をご紹介します。

半年以上の留学生にとっては、航空券は片道チケットで渡航するのが割安になります。

片道の航空チケットで渡航し、帰国時に中国で帰りの片道チケットを購入するのが、一年オープンのチケットを購入するよりも安くなります。

中国行きのエアーチケット(お得なチケット情報)

船のキップ

時間もたっぷり、ゆったりとした船の旅を楽しみたい人には、船での渡航という方法もある。

船での食事代は、概算で3500~4,000円(食事回数:3日間で5回×700~800円)。

中国へのフェリーは情報はこちら

クレジットカードの用意

クレジットカードがあれば日本からの送金が遅れているときもATMから現金が引き出せます。国際キャッシュカードと同じ使い方ができて買い物にも便利です。

クレジットカードでのキャッシングはこちら

持っていく荷物の準備

渡航前に留学生活で必要な荷物のリストを作成しましょう。以下のリストは必ず持っていくべき物です。

  • 地球の歩き方
  • 文房具
  • パソコン
  • スマートホン
  • 衣料品
  • 洗面・洗濯用品
  • 常備薬
  • 生理用品
  • ポケットティシュ
  • めがね
  • ちょっとした日本のお土産
  • コンセントプラグ

※その他、持っていく荷物の詳細はこちら

海外旅行傷害保険への加入

海外(中国)へ留学する学生向けの保険も多数販売されています。万が一の事故や病気に備え、保険には是非加入しましょう。

留学の保険情報はこちら

両替・送金の準備

現地で困らないためにも、出発まえに確認しておきましょう。

両替・送金の方法はこちら

空港から大学までのアクセスを確認

知らない土地で、大きな荷物を持って移動するのは大変です。現地空港に着いてから大学までの道のりを確認しておきましょう。

空港送迎のサポートはこちら

インターネットと電話

スマホやインターネットが無ければ生活できないと言う方も多いと思います。

ここでは中国留学のインターネットとスマホの利用法を紹介しています。

大学に到着後の手続き

空港での両替

空港に到着後、最初にする事は人民元への両替です。

中国に着いた初日は、空港から大学への交通費、留学生寮の補償金(デポジット)、食事などの費用が発生します。最低でもそれだけの人民元を両替しなければなりません。

翌日から入学手続きが始まりますが、注意する点は中国の大学では“留学生寮と留学生事務所の手続きは別”というのが一般的です。

大学到着日には留学生寮の入寮手続と留学生寮の補償金(デポジット)を支払います。そして、翌日から入学手続きは留学生事務所で行い、留学生寮の宿泊費は留学生寮の事務所で支払います。

※このように中国の大学では留学生事務と留学生寮の管理が別組織になっています。そのため、渡航前に一人部屋の確認ができない事も日本でいると不思議ですが、中国の大学の組織の問題点が分かると理解しやすくなります。

大学到着後の流れ

中国に入国後、30日以内に留学先の公安機関で居留登録の手続きをしなければなりません。

また、留学期間を延長する方は居留期限が切れる前に現地の公安機関に延長の手続きをします。

  1. 留学生寮の入寮手続き
  2. 入学手続き
  3. 支払い費用を人民元に両替
  4. 中国の銀行に口座開設
  5. 留学生寮費の支払い
  6. 授業料及び関連費用の支払い
  7. 居留手続き(中国入国後30日以内)
  8. 滞在期間の延長手続き(※予定よりも延長する場合)