第115回中国留学メールマガジン

china internship program メルマガ VOL.115

☆毎月1回配信☆

 2013/ 12/9 Mon

大家好!寒気も日増しにつのってきましたが、皆さんも風邪などひかぬよう寒さ対策を万全にしてくださいね。

今月の「中国風間帖」では、先月一人っ子政策に新たに導入された“単独二胎”について取り上げます。これは、夫婦いずれかが一人っ子の場合第二子を認める制度で、今後の中国に新たな展開をもたらすキーワードになるかもしれません。

体験談では北京大学大学院に進学した松田さんに話を聞いてみましょう。中国の最高峰・北京大学大学院の授業や学生たち、キャンパスライフとは一体どんな様子なのでしょうか。

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  1. 1.Facebookページ開設のお知らせ
  2. 2.「中国風聞帖」  ~ 一人っ子政策次なる一歩へ “単独二胎” ~
  3. 3.「光輝歳月」   ~ 松田さん北京大学大学院体験記  国際派を目指して切磋琢磨 ~
  4. 4.「編集後記」
  5. 5.CIP NEWS ~ 説明会開催のお知らせ ~

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1.Facebookページ開設のお知らせ

中国留学ナビのFacebookページを始めました。 最新のニュース、中国の政治・経済・文化、中国語学習お役立ち情報など、今後も中国に関する情報をどんどんお届けしていきますので、 是非ご覧ください。

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2.「中国風聞帖」 ~ 一人っ子政策次なる一歩へ “単独二胎” ~

中国に今、新しい風が吹こうとしています。長年国政の根幹となっていた一人っ子政策の緩和が決定したのです。それはどのような内容なのか、それに対する国民の反応とは、そして中国社会と人々の価値観にどんな変化をもたらすのか、一緒に見ていきましょう。

一人っ子政策緩和へ“単独二胎”

今年で施行後34年が経過した中国の一人っ子政策(計画生育政策)が、大きな局面を迎えようとしています。先日政府が“計画生育二胎”の実施を発表したのです。俗に“単独二胎”と呼ばれるこの新政策は、夫婦いずれかが一人っ子の場合2人目までの出産を認めるという内容です。

1979年に人口抑制のために施行された一人っ子政策は、その効果を十分に発揮し、約4億人の増加を抑制できたといわれています。その一方で、人為的に人口動態を操作した結果、社会に様々なひずみも生み出しました。急速に進む高齢化、縮小の一途をたどる労働人口、崩れ始めた人口構造の均衡はもはや見過ごせない段階まで来ているのです。こうした問題に直面して、政府はこの度の政策緩和に踏み切りました。

“到底生不生?”第二子それぞれの選択

報道後、世間はすぐにこの話題でもちきりになり、中国全土で様々な意見が飛び交いました。該当夫婦たちは早速2人目の出産計画を立てるのかと思いきや、実はどうも全員がそうではないようです。アンケート調査によると、第二子を希望しているのは該当者の約6割に留まり、1人で十分と考える人も少なくありません。

そこには産みたくても産めないという現代中国の情勢が背景にあります。中国の物価は年々上昇し、生活費に住居費、車代と、人々の暮らしを圧迫し続けています。更に近年高まる教育熱の中、子ども1人にかかる平均養育費は北京で数千万円に上るという説もあり、同じ北京の平均年収約70万円の何十倍にも相当します。1人の子どもを育てるのが精一杯で、2人目なんて到底望めないというのが彼らの置かれた現状なのです。

2人目を産む余裕がないのは経済面以外にも理由があります。夫婦共働きが多い現代中国では、子どもの世話に加えて仕事のストレス、両親の介護が肩にのしかかります。多忙を極める彼らにとっては、体力的、精神的にも今の生活を維持することが最優先項目となってしまっているのです。

子どもは1人でいいから質の高い暮らしをしたい、今の生活水準を下げたくないというのが彼らの本音といったところでしょう。その分唯一の子にはできる限りの教育を受けさせてあげることができ、女性もキャリアを継続できるなど夫婦にとって犠牲も最小限で済みます。これは一人っ子政策で謳った“一人っ子なら良い生活だ”のキャッチフレーズそのものであり、いつの間にかその近代的な価値観が人々の間に浸透していたのですね。

一方で、やはり半数以上の人々は第二子を希望しており、この朗報に躍り上がって喜びました。自分自身が一人っ子として寂しい思いをしながら育ってきたことから、我が子には兄弟を持たせてあげたいというのが切なる親心のようです。他にも老後に頼りやすいとか、兄弟がいる方が人格形成に良いなど様々なメリットが挙げられていますが、何より、子どもが欲しいと願うのは自然なことであり、理由付けをするのは野暮なことかもしれません。

“単独二胎”に託す新たな展望

では、この“単独二胎”は今後どのような波紋を広げていくのでしょうか。時代を振り返っても、家族のありかたは社会や人々の価値観と密接に結びつき、相互に影響を与え合ってきたようです。

元来、中国の伝統的な考えは“多子多福(子どもは多ければ多いほど幸せ)”というものでした。子どもの多い家庭は繁栄と幸福の象徴であり、子どもは社会全体から温かく見守られて育ってきたのです。中華人民共和国が成立してからは、国の基盤づくりとして人口増加が一層奨励されるようになりました。子どもは未来の労働力、人口の多さこそが国の力と見なされていたのです。

一人っ子政策が施行された1979年以降から現在まで、高度経済成長の波に乗った中国は大きく変わります。資本主義経済へと移行していくその裏で、貧富の差は急激に拡大していきました。そんな状況下で育った一人っ子たちは、両親からの是非とも唯一の子に成功者側に立って欲しいという期待とプレッシャーを一身に背負うようになるのです。我が子に競争社会に勝ち抜いてもらうため、親は教育費も惜しむことなく注ぎ、その過熱した教育がまた更に勝ち負けを生み出していきました。

そんな中打ち出された今回の“単独二胎”は、この現在の潮流を変えるきっかけになるかもしれません。今回の政策緩和によって増加すると予測されている人口は年間約100~200万人に過ぎず、人口動態から見ればさほど大きな影響はありません。しかし、教育への価値観や中国社会になんらかの変化が芽生えるのではないかという展望が、少しでも開けたのではないでしょうか。この“単独二胎”が現在抱えている問題を少しでも緩和していくことに、この小さな一歩が中国を次なる段階へと推し進めていくことに、ささやかながら期待を寄せたいですね。

可愛いあかちゃん幸せな家庭

3.「光輝歳月」  ~ 松田さん北京大学大学院体験記  国際派を目指して切磋琢磨 ~

松田彩さん

松田彩さん

アメリカの大学を卒業し、現在北京大学大学院にて日々学習に励む松田さん。華やかなキャリアを築いてこられたのも、大きな夢のために地道な努力を重ねてきた結果です。その大学院での暮らしぶりを教えてもらいましょう。

ハイレベルな授業で成長を実感

専攻の哲学部では、今学期はまず司馬遷の「史記」を原文で読んで、そのあとそれに関する学者の注訳や解説書を読み、理解を深めていきました。歴史学部の授業では、あるテーマや課題本を教授によって学生たちに振り分けられ、その発表を中心に授業を進めていきました。また、学期末には論文の提出もあり、あらかじめ決められたテーマについて、クラスメイトの協力や教授のアドバイスのもと最後まで書き上げることができました。

意識の高い学生たちに囲まれた環境

現地の中国人学生からは学ぶべきところがたくさんあります。彼らは自分の意見をしっかりと持っている一方で、他の人も尊重し、謙虚さも兼ねて揃えています。それゆえ、ディベートの能力が非常に高く、ときには教授にも臆せず意見を述べ、いつも白熱した議論が繰り広げられていました。また、彼らは私にとても親身になってくれ、論文の作成や中国語の学習にいつも優しく手を差し伸べてくれました。そんな彼らの背景は実に多様で、すでに結婚している人や、卒業後は留学する予定している人など様々です。しかし皆共通して意識が非常に高く、一緒に学んでいてとても刺激を受けます。

授業以外でも勉強に打ち込む日々

普段から専門の文献をたくさん読むように心がけています。図書館には日本語の本が豊富にあるので、日本語で専門図書を読むことも学習の理解の助けとなっています。中国語の向上もかかせないので、忙しくとも中国語の学習時間を作っています。古代言語である漢文を原文のまま読んでいくことはとても大変でしたが、最近は少しずつ慣れてきました。また、文化の面からも中国への理解を深めたいと思い、水墨画、二胡なども習いに行っています。

これからも平和な国際社会という理想を追いかけたい!

北京での学生生活も1年が過ぎました。アメリカ・中国と続く海外生活の中で、ようやく日本を外から見ることができるようになったと感じます。そして日本人でありながら、日本を客観的に捉えられるようになったことで、日本と国際社会との関わり方についてより考えさせられるようになりました。そんな私だからこそできることをこれからも模索し続け、平和な国際社会づくりに貢献できるよう、理想を追い求めていきたいです。

北京大学の門松田さんと友人

♪他の方の体験談はこちらから♪

4.編集後記

たった一人の我が子に願いを託すあまり、現代中国では英才教育ばかりに力を入れてしまう傾向があります。物質的な豊かさを優先させるその反面、調和や礼儀、道徳といった心の成長がついおろそかになりがちです。そういった子育ての価値観も、今回の単独二胎をきっかけに変わっていくといいですね。

5.CIP NEWS

●説明会・個別相談会 開催のお知らせ●
大 阪: 1月26日(日)
東京 : 1月25日(土)
※説明会情報は、随時HPにて更新しています。下記のサイトにてご確認ください。   http://www.chinainternship.co.jp/access/meeting-info.html
※各説明会後には、個別カウンセリング(要予約・無料)も行なっております。

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◆【2014年春入学 16週間】大学での短期集中留学コースで会話力UP

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