第14回中国留学メールマガジン

china internship program メルマガ VOL.14

☆毎月1回配信☆

2005/06/30 Thu

 毎年6月、中国は「統一大学入試試験」の話題でもちきりです。高度経済成長の中、理想の大学への進学が「明るい未来」を手に入れる唯一の方法と考えられています。今月は、この中国大学受験事情を皆さんにご紹介したいと思い
ます。また、中国の学生たちの"学ぶ意欲"に刺激を受けた三根さんの物語、日本の歴史・文化を教える木谷さんの物語を皆さんと一緒に見ていきましょう。

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  1. 「中国風聞帖」  ~ 中国の大学入試 ~
  2. 「我的故事」   ~ 日本の良さを伝えたい ~
  3. 「光輝歳月」   ~ 夢が見つかったインターンシップ ~
  4. 「編集後記」

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1. 「中国風聞帖」   ~ 中国の大学入試 ~

「受験戦争」は日本だけのものではありません。中国でも、毎年激しい「受験戦争」が繰り広げられています。理想の大学に入るには、必死の努力が必要です。今月はそんな中国の大学受験事情を覗いてみましょう。

「高考」とは

大学入試試験を中国では「高考」と呼んでいます。この「高考」は毎年6月上旬に行われ、試験方式は地域統一のペーパーテストがメインです。大学側はこの統一試験の成績によって合格者を決定します。1949年の中華人民共和国成立前は、大学入試試験は各大学が独自に行っており、受験者は数校の入学試験を受けることができました。現在では中国のほとんどの地域で、大学入試試験は6月の統一試験一回のみとなっています。したがって、大学入試受験のチャンスもこの一回のみとなります。

「豆知識」

1966年から1976年の「文化大革命」の10年間、「高考」は一時中断されていましたが、1977年から再開されました。現在、中国で行われている「高考」制度はほとんど1977年以来の形です。

「受験」の現状

高度経済成長の只中にある中国は今、学歴社会へと変化をみせています。
そんな中、大学受験は将来に繋がる唯一の道としてとらえられ、ますます競争が激しくなってきています。去る6月7、8日の両日、中国全土で「統一大学入試試験」が行われました。中国教育部によると、今年の大学入学志願
者数は867万人で前年と比べて144万人増加、対して大学の募集人数は475万人にとどまっています。入学率は約4分の1の「狭き門」です。

中国でチャレンジする外国人留学生

最近は、語学留学にとどまらず、さらに中国での大学本科進学にチャレンジする外国人留学生も増えています。教育部の統計によると、2007年までに中国で勉強する留学生数は12万人に達する見込みです。うち本科留学生(学部生)は3万5千人、年増加率にして11%を、大学院留学生は9千人、年増加率は12%を見越しています。外国人留学生の人気は経済、法律、国際関係の学部に集中しています。

「豆知識」

外国人が中国の大学に進学する際に必要な語学力はHSK6級。大学院に進学する際に必要な語学力はHSK8級です。

2 「我的故事」   ~ 日本の良さを伝えたい ~

14 6木谷ゆうこ さん

京都の大学卒業考古学専攻
北京にて日本語講師インターンシップを6月より開始

中国との「大変」な出会い

大学1年生の春休みに中国・天津へ3週間中国語を学びに行きました。飽きっぽい私がここまで中国に興味を持ち続けているのはこの体験が大きかったと思います。中国語の授業は大変でした。私は中国語がほとんど話せないし、聞き取れない(中学1年生の英語のレベル以下の語学力でした)。先生は日本語を全く話せない。意思疎通が無理な状態で、先生が困り果てたのは言うまでもありません。なんとか先生の言わんとしていることを聞き取り、自分の意思を伝えようと悪戦苦闘の毎日でした。授業だけでなく中国での生活すべてがまさに真剣勝負。知り合った中国人の友達と次の日遊ぶ約束をするだけで、1時間近くかかったこともありました。言葉が通じないということがこんなに不便なことなのかとその時初めて感じました。しかし、自分か言いたかったことが相手に伝わった時の嬉しさは相当なもので、その感覚が忘れられず今まで中国語を学び続けているのかもしれません。

旅行では物足りない!

帰国後も旅行で中国へ2度ほど行きました。しかし、地元の人にとって旅行者はお客様。人々のよそ行きの姿しか見ることが出来ません。物足りない気がし、また生活しにいきたいという気持ちが強くなっていきました。留学という手もあるなと思いましたが、留学はとても受身のような気がしました。何かないかなと思っているところにインターンシップというものがあると知ったのです。

海外で日本を再発見

海外へ行くたびに感じることがあります。それは日本がとてもいい国であるということ。そして他の国に誇れるものがたくさんあるということ。私は着物の着付けを少し習っていました。日本の文化を勉強したくて始めたわけではなく、ただ単に着物が自分で着られたらいいなと思ったからなのですが、習っていく中で着物を着る技術だけでなく、文様の組み合わせ方など着物に関する様々な知識を得ることとなりました。海外に行って着物というものを見つめ直したとき、着物の様々な知識一つ一つが昔から受け継がれ、伝えられてきた素晴らしい文化なのだと感じました。日本を離れ、外から日本という国を見なければ感じなかったことだと思います。

「日本」を伝えたい

私は日本語教師としてインターンシップに参加します。私は日本人ですが、日本のすべてを知っているわけではありません。むしろ知らないことのほうが多いでしょう。そんな私が学生を相手に教えるのですから、毎日猛勉強しなければならないと覚悟しています。とにかく知識はありませんが、自分の好きな日本を精一杯伝えられたらと思っています。そして、日本に興味を持っている学生たちとの生活の中で、日本人では気付くことのない日本のすばらしいところを教えてもらえるのではないかと楽しみにしています。

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3. 「光輝歳月」   ~ 夢が見つかったインターンシップ  ~

14 3三根佳祐 さん 大阪経済大学

経済学専攻
春の短期留学+インターンシップコースに参加

中国で新しい自分に

私が日本語講師インターンシップに参加した理由は、今の中国をテレビで見たり、話で聞いたりするだけではなく、自分の目で見て、体で感じたかったからです。また大学に入学してからずっと同じような毎日を過ごしていて、このままでは駄目だと思い中国の学生に刺激を与えてもらい、それを感じて自分を変えたいとも思ったからです。

中国人学生の「やる気」にびっくり

中国の学生に日本語を教えていて、人間やる気になればこんなにも進歩するものなのだなと驚かされました。私は人間的にもまだまだ未熟で、中国語も全然駄目で、日本語の文法などもまったく分かっていないのに、彼らはそんな私の話を毎日聞きに来てくれて本当に心の支えになりました。私が考えているときに「えっとねぇー。」と何気なく言った言葉に対しても「どういう意味ですか?」と聞かれたりと、中国の学生はすごく貪欲だなと思いました。そういう貪欲なところは今の日本の学生は足りなさ過ぎると思いました。将来この差が日本と中国の差になるとも思いました。

インターンシップで自分の「夢」がみつかった

インターンシップを終えて、自分で言うのもなんですが、中国語は行く前と比べてかなり上達したと思います。また帰ってきてからは自然と勉強をする時間が増えて、いろいろなことを知りたいと思えるようになりました。インターンシップをするまでははっきりとした将来の夢がなかったのですが、私は今、将来人に教える仕事につきたいという夢ができました。

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♪他の方の体験談はこちらから♪

4. 編集後記

中国には「登竜門」という言葉があります。人生には、何度か"必ず突破しなければならない関門"が訪れるでしょう。そして、その難関を乗り越えることが出来れば、今よりもっと輝く自分へと成長できるに違いありません。今回のメルマガで、皆さんがそんな難関を乗り越えた時の自分を思い出していただければと願っております。


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